症
状
別
の
ケ
ア
Symptoms & Care

アトピー性皮膚炎
特徴・症状
アレルギー性の皮膚疾患です。 スキンケアの不足やバリア機能の低下により、皮膚がかゆみを伴う湿疹(赤み、ザラザラ、カサカサ)を繰り返し引き起こします。
「かゆい」→「掻く」→「皮膚に傷がつく」→「さらに強いかゆみがでる」という悪循環に陥りやすく、適切な治療でこのループを断ち切ることが極めて重要です。
治療のこころがまえ(大切な考え方)
アトピー性皮膚炎の治療には、以下のような継続的な意識・こころがまえが大切です。
忍耐強く付き合う: あっという間に魔法のように治る病気ではありません。一時的に良くなっても油断せず、悪化してもガッカリせずに、根気強く「良い状態をキープする」ことが最終的な治癒へとつながります。
定期的な受診をする: お肌の状態に合わせて処方や塗り方は変わります。「薬が切れたからもらいに行く」だけではなく、定期的に肌をチェックしてもらいましょう。
自己判断での中断・変更はNG:
「良くなったから途中で塗るのをやめた」
「毎日塗るのは良くないと思って量を減らした」
「悪化したから市販薬を使った」 これらはぶり返しや悪化の原因(失敗のもと)になります。変更や疑問があれば必ず主治医に相談してください。
ウワサやネットの情報に注意: 周囲からの「これ効くよ」という勧めや、インターネット上の手軽な情報には根拠のないものも混ざっています。鵜呑みにせず、必ず主治医の意見を確認しましょう。
食物アレルギーとの関係: アトピーのお子さん全員が食物アレルギーを持っているわけではありません。適切なスキンケアや軟膏治療を行っても湿疹が改善しない場合や、特定のもの食べた直後に悪化する場合に詳しく検査・検討します。
治療の基本:正しいスキンケアと入浴
スキンケアが不十分だと、いくらかゆみ止めの飲み薬を飲んでも十分な効果は得られません。
からだの洗い方・石けん:
石けんやシャンプーは使用して構いません。
しっかり泡立てて、手のひらでなでるように優しく洗ってください(タオルでゴシゴシこするのは厳禁です)。
石けんのすすぎ残しは乾燥や刺激の原因になるため、十分に洗い流しましょう。
入浴後のお手入れ:
お風呂のお湯はぬるめに設定します(熱いとお湯がかゆみを誘発します)。
上がる時はタオルで押さえるように「ポンポン」と水分を拭き取ります。
肌が乾ききる前(できれば10分以内)に保湿剤を塗りましょう。
汗や汚れのケア: 汗をかいたり、よだれや食べこぼしが顔についたときは、すぐに優しく拭き取るか洗い流して軟膏を塗り直しましょう。
かゆみと悪循環への対処・予防法
かゆみが強いときの対処法
かゆい部分を保冷剤(タオルで包んだもの)などで冷やす。
ステロイド薬(手元にない場合は保湿剤)を塗る。
かゆみを防ぐ日頃の予防法
チクチク・ゴワゴワする素材の衣類は避け、肌触りの良い綿素材などを選ぶ。
就寝時に温めすぎない(布団を掛けすぎたり部屋を温めすぎるとかゆみが増します)。
ひっかいて傷を作らないよう、爪は常に短く丸く切っておく。
塗り薬の正しい塗り方・量・順番
1. 外用量(塗る量)の目安:1 FTU(フィンガーチップユニット)
薄く塗りすぎると十分な効果が得られません。「塗った後に肌がテカリ、ティッシュ1枚を載せるとくっつく程度」が適量です。
1 FTUとは: 大人の人差し指の先から最初の一節目まで出した軟膏(約0.5g)の量です。これで「大人の手のひら2枚分」の面積に塗ることができます。
【年齢別・部位ごとの1回分の目安(FTU)】
部位 | 3~6か月 | 1~2歳 | 3~5歳 | 6~10歳 |
顔・首 | 1 FTU | 1.5 FTU | 1.5 FTU | 2 FTU |
片腕 | 1 FTU | 1.5 FTU | 2 FTU | 2.5 FTU |
片脚 | 1.5 FTU | 2 FTU | 3 FTU | 4.5 FTU |
胸・お腹 | 1 FTU | 2 FTU | 3 FTU | 3.5 FTU |
背中 | 1.5 FTU | 3 FTU | 3.5 FTU | 5 FTU |
全身の合計 | 8.5 FTU(約4g) | 13.5 FTU(約7g) | 18 FTU(約9g) | 24.5 FTU(約12g) |
(日本皮膚科学会/日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018」より)
2. 塗り方のコツ
薬を患部にトントンと置くようにのせ、手のひらで軽く2~3回、皮膚のシワに沿って横方向にやさしく伸ばします。すり込む必要はありません。
3. ステロイド薬と保湿剤の重ね塗りの順番
広範囲に湿疹がある場合: 【ステロイド薬】を先に塗り、その上から全体に【保湿剤】を重ねて塗ります。
赤い部分が点々と部分的な場合: 全体に【保湿剤】を塗ってから、赤くなっている場所にだけ【ステロイド薬】を点々と塗ります。
いつ薬(ステロイド)を止めるの?
赤みが引いたからといってすぐにステロイド薬をやめてしまうと、皮膚の深いところに炎症が残っており、すぐに症状がぶり返してしまいます。
継続の判断基準: 手で触ってみて、ザラザラ・ゴワゴワ感が残っている間は、見た目の赤みが引いていても塗り続ける必要があります。
プロアクティブ療法: 症状が落ち着いて綺麗な肌になってからも、急にやめるのではなく、主治医の指示のもとで週に2回など塗る回数・頻度を徐々に減らしてキープする治療法です。ぶり返しを防ぎ、ツルツルの状態を維持することができます。
保湿剤: 保湿剤は毎日継続して塗り続けてください。
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